というわけで、Sakura projectの打ち合わせをしに、FranceLilleに行ってきました。Franceの夏は曇りの空が多いそうですが、今回は幸運にも、晴天に恵まれました。蒸し暑い日本の夏と違い、乾いたFranceLilleの気候は、肌寒く、夜になると街の人たちは冬場に着るような上着を羽織っていました。

Lilleの街は城壁に囲まれた中にあり、その中心部に広場があります。共同研究者のチームの所属するLille大学は街の中心部から車で十分程度の距離にあります。

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まずは、長澤先生は、Three Pulse Photon Echoについてのセミナーと、最近、宮坂研究室で報告したフォトクロミック化合物(特に、HABI類、青山学院阿部先生との共同研究の成果)に対する反応ダイナミクスの研究成果について発表しました。

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余談ですが、長澤先生は、大阪と大阪大学についても少し説明をされていました。「大阪の下町の写真です」と説明すると、「へぇ〜」、と声が上がりました。また大阪大学豊中キャンパスの近くには“箕面の滝”という、景観の良い場所がありますが、「そこには野生のサルがいて、人の物を奪います」と、紹介すると、会場内に笑い声が起きました。

続いて、僕が最近の改良した実験装置を紹介しました。右側の写真の司会をされている方が、今回お世話になったLille大学のM. Sliwa先生です。大阪大学工学部の増原先生の研究室で研究されたこともあるとのことです。

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質問タイムでは、過渡吸収スペクトル測定用の白色光発生や過渡二色性についての質問がありました。現在、私たちは可視領域の白色光発生には、OPA-800の近赤外光を使っていて、ブロード(380-1000 nm)にスペクトルを測定できます。

その後、Lille大学内を案内してもらい、実験装置も見せていただきました。短い期間でしたが、互いの研究の特徴を知ったと思います。我々は、観測波長が、300-1600 nm領域で、時間分解能は、<20 fsと非常に短い時間領域の測定に特化しており、さらに、その領域で高い精度の測定が行えます。一方、Lille大学では、赤外領域における測定が、数百フェムト秒程度の精度で行うことができる点と、データ解析に特化したグループがあり、我々よりもより複雑なデータの解析を行うことができると感じました。

 

最終日のディスカッションの後、帰りの飛行機までの時間があったので、Lille周辺を観てまわりました。

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リールの城壁の上のレストランで昼ごはんを食べた後、記念撮影。

 

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この鐘楼はベルギーとフランスのいくつかの鐘楼と共に、世界遺産に同時登録(56箇所のフランス、ベルギーの鐘楼)されたものです。深夜になると、様々な色でライトアップされます。

 

 

文責 片山哲郎