ヨーロッパ探訪

1. フランス(パリ):ENS
2. ベルギー(ルーバン):Katholike University Leuven
3. ドイツ(ケルン):ICP 2007
Oral
Monday, 30.07.2007Lecture Hall II
11.55-12.20 Local Temperature at the Focus of Near Infrared Laser Beam in Optical Tweezing
Ito, S., Sugiyama, T., Toitani, N., Katayama, G., Miyasaka, H.

Poster
P 097 Electron Transfer Dynamics of Poly(N-vinylcarbazole) Solid Film in Femtosecond to Microsecond Time Region
Katayama, T.,, Ishibashi, Y., Miyasaka, H.,

P 128 Laser-induced Multiphoton Photochromic Reaction of Diarylethene and Fulgide Derivatives in Solution Phase
Ishibashi, Y., Miyasaka, H., Kobatake, S, Irie, M.

1. フランス(パリ):ENS
というわけで、行ってきました、“花の都”パリ。宮坂先生がENS(Ecole Normale Supérieure)で6月末から、客員教授をやっていたので、ICP2007に参加する前にENSに行くことができました。ENSは、高等師範学校で、競争率が非常に高く、ノーベル賞受賞者を数多く輩出しています。キュリー夫人の写真が、通りに飾られていましたし、通りの名も、ゲイリュサック通りとなっていました。
宮坂先生の滞在していた研究室のボスであるMonique先生は、残念ながら、学会に参加しており、ここでは、会えませんでした。しかし、他の先生やポスドクの方に、実験装置と研究内容を説明してもらいました。

実験装置は宮坂研の装置とほぼ同じでしたが、パルス幅30 fsで波長可変のNOPAが、ありました。学会発表を聞いている限りで、NOPAは海外のどこの研究室も持っているようなので、少しうらやましかったです。
ENSの周りには、大学が密集していて、またシテ島やリュクサンブール公園にも近く、非常に良いところでした。


(左)ソルボンヌ大学 ENSから、歩いて五~十分のところにありました。学生らしき人たちが多かった。
(右)リュクサンブール公園 昼休みには、多くの人たちがランチしながら、日向ぼっこをしていました。

2. ベルギー(ルーバン):Katholike University Leuven
というわけで、学会に参加する前に、Katholike University LeuvenのJ. Hofkens グループでミニシンポジウムを開くというので、参加してきました。訪れた研究所は、市庁舎からバスで20分くらいのところにあり、周りには何もないところでしたが、大きな研究棟がたくさんありました。ちょこちょこ動く野うさぎがいました。

2007 / 07 / 27 (Friday) 12:00-14:00 ミニシンポジウム

・12:00- 12:40
S. Habuchi (Harvard University)
A Single-Molecule View of Eukaryotic DNA Replication Initiation
・12:40-13:20
Y. Ishibashi (Osaka Univbersity)
Multiphoton Photochromic Reaction Dynamics in Fulgide and Diarylethene Derivatives: Similarity and Difference of Reactions
・13:20-14:00
M. Miyasaka (Osaka Univbersity)
Local Temperature at the Focus of Near Infrared Laser Beam in Optical Tweezing


(左)緊張した面持ちの石橋(もっと英語のプレゼンの練習をしなければ。。。)
(右)伊都先生の研究内容を発表する宮坂先生

その他、研究施設を見せてもらいましたが、あまりの数の多さに、写真を撮る暇がなかったです。今は、超高速時間分解分光よりも、single molecule観測の方に、力を入れているようで、何台もの顕微鏡と何台ものレーザー光源がありました。研究室所属している人数も60人と多く、常に実験が行われているようでした。
ルーバン大学の超高速時間分解装置は、宮坂先生が11年前にルーバン大学に滞在したときに、構築しており、現在、宮坂研究室にある装置とほぼ同じでした。ただ、違ったのは励起レーザーが半導体レーザーになっていたことと、励起光と観測光をピエゾステージで、自動制御していたこと、さらには、サンプルチャンジャーもついていました。そのために、インターネットでリモートコントロールでき、土日、夜間でも、家に居ながら、実験を行っているとのことでした。しかし、実際は、実験室に居て、サンプル、レーザーの様子を伺いながら、やった方が良い結果がでるのではないのか、と、片山と石橋は、感じました。

ミニシンポジウムの行われた日の夕飯は、De Schryver先生に、ご馳走してもらいました。その他の日は、宮坂先生の大好物である“ムール貝の鍋蒸し”(この表現の方がわかりやすいので、勝手に名づけました。)を食べました。


三日間滞在したうち、二日は、この鍋に入ったムール貝を食べました。一鍋、20ユーロと高いけど、ベルギー地ビールとは相性抜群で、確かにおいしかった。それにしても、大量のムール貝、4人で3種類の味の“ムール貝の鍋蒸し”を頼みましたが、本当におなかいっぱいになりました。付け合せのフレンチフライもおいしかったなぁ。。。。

発表の次の日は、土日ということで、ブルージュとブリュッセルまで観光してきました。
 
ブルージュ鐘楼(世界遺産)で、上まで登ることができて、右図のように市内を一望できました。その他、運河クルーズをしたり、ベギン会修道院などを訪れたりしました。当然ですが、木造建築とは異なり、石造の町並みだったので、「あぁー、ヨーロッパに来たんだなぁ」、っと、片山と石橋は、常におのぼりさん状態でした。

おまけですが、ブリュッセルには、小便小僧の像があり、人だかりができていました。ベルギーはビールの国でもあって、数多くの地ビールがあり、ビール博物館なるものまで存在し、入場料5ユーロで、ビール一杯、飲ませてくれました。
 
また、ベルギーは、ワッフルが有名なので、出来立てで、あつあつの本場のワッフルも堪能しました。

3. ドイツ(ケルン):ICP2007
ICP2007 — XXIII International Conference on Photochemisty
日時:29 July - 3 August 2007, 場所:ケルン大学化学棟、物理棟、Cologne, Germany


というわけで、行ってきました、ドイツのケルンまで。
ベルギーのミニシンポジウムに参加した後、タリス(フランス高速鉄道)に乗って、一時間三十分でケルン中央駅に着きました。中央駅の真横には、世界遺産であるケルン大聖堂があり、パリやルーバンとは、違った街並みが広がっていました。

宮坂研究室としては、オーラルを一件(伊都先生)、ポスターを二件(石橋・片山)、発表しました。

Oral
Monday, 30.July. Lecture Hall II
11.55-12.20 Local Temperature at the Focus of Near Infrared Laser Beam in Optical Tweezing
Ito, S., Sugiyama, T., Toitani, N., Katayama, G., Miyasaka, H.


右下で、説明しているのが、宮坂先生です。伊都先生が急用のために、ICP2007に参加できなくなったために、宮坂先生が発表しました。

Poster
Thursday, 02.August. 19:00-23:00
P 097 Electron Transfer Dynamics of Poly(N-vinylcarbazole) Solid Film in Femtosecond to Microsecond Time Region
Katayama, T., Ishibashi, Y., Miyasaka, H.,

初めての国際会議参加で、緊張している片山君でしたが、ドイツビール(ケルッシュ)が効いてきたのか(笑)、最後の方は饒舌になっていました。

Tuesday, 31.July. 19:00-23:00
P 128 Laser-induced Multiphoton Photochromic Reaction of Diarylethene and Fulgide Derivatives in Solution Phase
Ishibashi, Y., Miyasaka, H., Kobatake, S., Irie, M.

ベルギーでの口頭発表は、かなりひどかったですが、ポスターだったので、なんとか乗り
切ることができました。中身の濃い議論ができて、非常に良い経験となりました。

しかし、二人ともポスター賞は、もらえませんでした。海外の人のポスターは、すっきり
と作られているので、色使いもよく、非常に分かりやすかったです。もっと、きれいなポ
スターを作ろうと、誓い合った石橋と片山でした。

8月1日は、学会のエクスカーションがあり、ライン川クルーズでボンまで行き、ベート
ーベンの生家に行ってきました。

ライン川は、非常に大きな川で、昔からドイツの商業・工業を支えていたのだなと感じま
した。ケルンの気温は、22 度前後ではないかと思いますが、日差しが強く、欧州の人はみ
んなサングラスをかけていました。岡田先生(大阪大学、現トヨタ中研)は、ずっとデッ
キにいたらしく、真っ赤に日焼けしていました。


さて、ベートーベンの家ですが、なんてことのないただの家でした(笑)。石橋と片山は、
音楽、特にクラシックに疎いために、「すげぇー!!」とは感じているものの、それ以上の
理解が得られず、一緒に行った教養のある先生たちから、取り残されていました。

学会のバンケット(船内で夕食会)にも参加し、Kodak に勤めているドイツ人と楽しい会
話をしました。伊都先生の局所領域の温度を測るという研究に興味を持っておられました。
しかし、一番内容の知っている伊都先生がおられないので、片山君は特に日本について話
をしていました。


船のデッキからみた夜景は非常にきれいでした、露光時間が長く、船も動いているので、
ぼけていますが、雰囲気はわかりますよね。。。中央にそびえ立っているのが、ケルン大聖
堂です。

最後になりましたが、国際会議に参加するための費用をはじめ、海外での様々な貴重な経
験をする機会を与えてくださった21世紀COE プログラム(物質機能の科学的解明とナノ
工学の創出)に感謝します。

文章:石橋
編集:片山


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