Singapore International Chemical Conference 3
Frontiers in Physical And Analytical Chemistry
Date: 15-17 December 2003
Venue: Shangri-La Hotel, Singapore

"Femtosecond Photon Echo Studies of Organic Polymers and Saccharide Glasses" Yutaka Nagasawa (invited)

というわけで、「地球の歩き方」ポケット判を握りしめてマーライオンに会いに行ってきました。
初めての国際会議での招待講演です。しかし、知らない人に知らない学会に呼ばれたわけで、参加費も旅費も全てこっち持ちです。「招待講演をエサに業績がほしい若い研究者を釣ってるだけなんじゃねえの?ボッタクリみたいな学会だったらどうしよう?」と最初は心配してましたが、なかなか立派な学会でした。自分は分光学の会場で発表しましたが、他の講演のほとんどが気相の振動分光の話だったので、もっぱらバイオの会場にもぐり込んでました。最終日に物理化学の教科書で有名なAtkinsさんが講演するとのことだったのですが、最終日は学会さぼって観光してたので聞けませんでした。ごめんなさい。自分の講演の前日の晩も「今日はナイトサファリに行くのじゃあ」となってしまったダメな化学者です、私は。


日本からシンガポールまでは約6時間。空港からホテルまでは電車で移動しました。2回乗り換えしないといけません。写真を見ての通りアジアの人種のるつぼです。空港で駅がどこだかわからなかったので、1人で座ってる女性に声をかけたら「あたしもこれから帰るとこだから途中まで案内してあげる」ということになりました。やさしいなあ〜。シンガポールの電車はカード式で切符というものがありません。乗車前にカードを購入し、目的地に着いた後に自動販売機にカードを入れると1s$返ってくるというシステムです。これもすべて彼女にやり方を教わりました。しかし、14日到着のはずなのに、このコ「今日は15日だ」と妙なことを言います。「え?!時差が1日もあるんか!?日付け変更線越えるんだっけ?」とも思いましたが、彼女が勘違いしてただけのようです。日本とシンガポールの時差は1時間しかありません。


で、ホテルのあるOrchard駅におりると街はもうカーニバル状態。どうやらクリスマスのデコレーションらしい。ムシ暑いのにサンタさんの人形とかもあって、なんか季節はずれな感じです。町並みはかなりアメリカナイズされてて、スターバックスとバーガーキングとケンタッキーとセブンイレブンが並んで建ってたりします。アジアなのにこれでええんか?


移動式の遊園地みたいなのも出てて、どこぞのアニメキャラによく似たのがうつろな目をしてグルグル回ってました。ちょっとキモい。あんまり日本のアニメキャラのパクリは見かけませんでした。マンガもあまり売ってません。いよいよ日本アニメの人気にもかげりが?!


次の日「ザァーッ」という音で目が覚めて「なんだ、雨か?」と思って外を見てみると、屋上プールと人工の滝が…夜中にチェックインしたので、窓の外がこんなふうになっているとは知りませんでした。朝の7時だというのにオッチャンが泳いでます。う〜ん、高級リゾートっぽいなあ。

  
で、これが学会の会場となったシャングリラホテルです。プールもあるし、ジャングル系の植え込みもあります。「しまったあ〜、多少高い金払ってでもここに泊まりゃよかった!」と思いました。私の泊ったのはトレーダーズホテルというもうちょっと安いとこでした。次行く時は海パン持っていかなくちゃね。


初日の学会終了後、ナイトサファリに出かけることにしました。(おいおい、講演の練習はいつするんじゃ?)ホテルの案内で聞くと「シンガポールは初めて?じゃあツアーに参加しなよ。ナイトサファリは遠いよ〜。」とか言われましたけど、海外旅行初心者でもないので、意地でも1人で行くことにしました。日本に比べるとタクシーも安いのですが、バスや電車の方がもっと安い。Ang Mo Kio駅まで電車で行き、そこからバスに乗り換えました。異国の地で夕暮れ時にバスに1人で乗るのはけっこう心細い…バスは電車と違い停留所名のアナウンスも表示もないのでどこにいるのかわからない、けっこう不安。バスの中では子供がドラエモンを読んでました。


ナイトサファリはトラムという乗り物に乗ってまわることができます。日本語専用のトラムもあります。一部を歩いてまわることもできます。まあ、やたら暗い動物園といった感じです。

 
複数のライオンが闇の中で激しく吠えてました。ほんとの野生の中であんなのに出くわしたら、腰が抜けてしまうでしょう。夜行性の動物ばかりなので、どいつもこいつも活発に活動してます。カワウソの集団が暗い池の中でメチャクチャ楽しそうにはしゃぎまくってました。ナイトサファリはフラッシュ禁止なので、なんとか撮れた写真はこれぐらいです。右は豹かな?左は牙の生えた妙なブタです。ライオンとかゾウとかサイとかの有名所の動物はうまく撮れませんでした。ここで一つ気付いたことは、虫がメチャクチャ少ないということです。日本でナイトサファリをやろうとしたら、照明に虫がたくさん集まってきたり、蚊にさされたりでたいへんなことになりそうですが、シンガポールではそんなことはありませんでした。殺虫剤でもまいてるのかな?


最終日は真夜中の零時半の飛行機に乗って帰ることになっていたので、それまで観光することにしました。チャイナタウンが気に入ったので、そこを中心にうろつきました。写真はチャイナタウン内の高層アパートです。ものすごい豪快な洗濯物の干し方してます。「おかあさん、私の上着どこ?」「洗濯して干してたら、風に飛ばされてどっか行っちゃったわよ」なんてことにならないのかな?空から物干竿が降ってきたら嫌だな〜。


昼間の町並みはこんな感じ。とにかく街路樹がデカい。日本の4倍くらい高さあるんでねえの?熱帯だからよく育つのね。道を走ってる車はどれもきれいなものばかりです。街じゅうデパートとかショッピングモールがたくさんあります。電器屋では店員さんがハッピ着てました。ジャパニーズスタイルですね。アジアじゅうのお金持ちが買い物に集まってくるのかな?ゴミを落とすと罰金だという話でしたが、けっこうゴミ落ちてます。ただし誰かがいつもどこかで掃除しているような感じです。


こんな木もありました。シダとかガンガンに生えてますね。熱帯っぽい。


この木の幹にはトゲがいっぱい生えてます。そんなに登られるのが嫌なのかな?誰が登るのだろう?サル?


町中をふらついてたら、突然大雨が!これがスコールというやつなのかな?傘持ってないので、しばらく雨宿りです。シンガポールの気候はそれほど暑くはなかったのですが、このようにほとんど毎日雨が降るので蒸し風呂状態になります。


で、雨の晴れた後の空にはきれいな虹が!う〜む、見事な虹じゃ。


最終日の晩にチャイナタウンの露店で食べたのがこれ。ブタの足の煮物ですね。これで4S$(300円ぐらい?)なので、ビール1本(6〜7S$)より安かったです。メニューが看板になってたので、その写真を指差しながら「これをくれ」と言ったら、注文聞きのオバチャンは「これは何?」と聞かれたと思ったらしく、店の奥に何かどなると、でっかい中華包丁を持ったサングラスかけたオッチャンが出てきて「ブヒブヒ」とブタの鳴き真似をしながら膝を指差して身ぶりで説明くれました。シンガポールは親切な人が多いです。


ここが夕食を食べた露店街。屋根付き駐車場の2階に店を並べたという感じです。ここに1人で座ってチンタオビールをあおっていると、下の前歯が全部ないベロベロに酔っぱらったオッチャンが話しかけてきました。しかし、会話がほとんど通じません。するとオッチャン、露店のオヤジにペンと紙を持って来させました。「私の名前は長澤裕です。日本の大阪から来ました」と漢字を書いて説明すると、そのオッチャンはペンを取ってデッカく「龍虎」となぐり書きしました。意味わかりません。しばらくすると、オッチャンは満足そうに立ち去っていきました。

シンガポール旅行は予想以上に楽しかったです。



home