Trombay Symposium on Radiation & Photochemistry

(TSRP−2006)

         会期:1月5−9日 

         場所:インド、ムンバイ

 

Invited Speaker : 宮坂 博 (JAN., 06, 11:30)

   Multiphoton-gated photochromic reaction in diarylethenes and fulgides

 

Poster: 石橋千英 (JAN., 06, 14:0016:00)

Laser-Induced Multiphoton-Gated Photochromic Reaction Dynamics

in Fulgides Derivetives

 

と、いうわけで、インドの西側のムンバイに行ってきました。

 

この建物は、学会主催者が用意した宿舎です。周りには、カラス、ハト、そして、「サル」!!!それと、明らかに病気持ちの犬がいました(噛まれたら、狂犬病になるんだろうなぁ)。

 

会場は、Bhabha Atomic Research Center(BARC)の中の大きな会議用のビルです。BARCは名前の通り、原子力研究施設ですのでセキュリティが異常に高く、軍が警備していました。軍人さんは銃をかまえていますし、当然、BARCの発行した身分証明書(IDカード)がなければ、敷地内に入ることもできませんので会場へは行けません。宿舎から会場へは、朝9時頃に参加者全員揃った状態でBARCのバスで会場に向かいました。ゲートでは銃を持った軍人がバスに乗ってきて、IDカードを確認します。会場までバスに乗っている時間はわずか5分程度ですが、少し緊張します。会場には電子機器(PC、カメラ、携帯など、CD、フラッシュメモリもだめでした)を一切持ち込むこと、また持ち出すことができませんでした。電子メールと携帯が大好きなO大学のHM先生は(宮坂先生ではありません)、せっかくボーダフォンがインドで使えて喜んでいたのに、2つとも会場に持ち込めずたいそう残念そうでした。帰りも同様に全員揃ってから、バスで宿舎に戻りますが、行きと帰りのゲートでは、IDのチェックだけでなくかばんの中にこのような電子機器、メモリーなどが入っていないか、軍人さんがチェックします。そのため、発表している写真が一つもありません。ごめんなさい。また、会場を抜けて、周辺を散歩しようとしたら、軍人さんに「ここから、向こうにはいってはいけない」って言われました。これは、軟禁状態ですよね…。

会議の登録者は約350名程度と比較的大きな学会であり、インドからの参加者も同じ様なセキュリティーチェックが必要でしたので、移動にはなかなか時間がかかりました。

食事は朝、昼、晩、宿舎で用意してくれました。朝たけはカレーではないですが、昼と晩はカレー、カレー、カレー・・・。今日の昼はチキンと野菜AとBのカレー、晩は魚Aと野菜B,Cのカレー、明日は、別の具のカレー・・・といった感じです。それぞれおいしいですが、昨日と今日のカレーの微妙な味の違いを楽しむには至りませんでした。最初は飲料水も入手しにくいかも知れないと言うことで、日本から水を持っていきましたが、宿舎ではちゃんとキャップのしまったペットボトルが用意してくれていて、飲料水はいつでも手に入れることができました。また、食事の時にもちゃんと封のついている水が用意されていました。生ものもインドの人たちが飲んでいた飲料水は飲みませんでしたが、ちなみにインドの人が日本の水道水をそのまま飲むとおなかをこわすことが多いそうです。またお刺身を食べてもおなかをこわすとのことで、おなかの中のバクテリアの違いも、たべものや飲み物とおなかをこわすことの関係には大事な因子になっているようです。

 

この建物の向こうに会場があります。施設の裏手は小さな山(軍人が山の上から見張っているらしいです。)で、手前はアラビア海が広がっていています。会場からみた景色は非常にきれいでした。写真がダメなら絵でもと思っていたのですが、絵を描いてもダメだそうです。(研究施設のHPがあります。ここには、写真も載っています。ぜひ、確認してみてください。http://www.barc.ernet.in/

 

エクスカーションが、夜の19時からありました。どこに行ったかというと、市街地にくりだし、小さな劇場でした。そこで、インド古舞踊(?)をみました。

 暗いので、写りがわるいですが、音と照明を組み合わせて、なんか円を作って踊っていました。日本みたいな繊細さではなく、中国の劇みたいな激しさでもなく、この二つを足した感じを受けました。

 

あっという間に、3日間が終わって、宿舎からムンバイの国際空港へは、BARCの車で送ってもらいました。しかし、そこには日本では考えられない光景が広がっていました。

大渋滞中です。とにかく、ひどい…。車線がないから、車2台分のところを3台も4台も…。隣の車との距離は、20cmぐらいですし、その隙間を人がすり抜けていきます。この渋滞で、会場から空港まで2時間かかりました。会場から空港までの距離は約20 kmだそうで、行きは45分ぐらいでした。車が動かなかった時は、本当にどうなるのだろうか、飛行機に乗れるのだろうか、心配でした。人口1200万人の発展中の都市に、地下鉄も市内の電車もないのですから車も尋常でない混みをするのはわかりますが。

反対側車線を運転していったシーンです。前の車も明らかに反対側を走っていますね。すぐ脇には、露天商があったり、小さなお店が並んでいたり、夜遅くまでにぎやかでした。でも小さな路地をみてみると、トタンでできた家がたくさんありました。貧富の差が激しい社会なのだなぁって思いました。

 

今回は、軟禁状態であったためインドを知ることができませんでした。「インドを旅行して真の旅行者だ」って、言われるので、観光で一度はインドにいってみたいなぁって思いました。

 

                                                                                             文章 石橋

                                                                                             編集 宮坂