13th International Conference on Ultrafast Phenomena

(クリックしてもこの写真はでかくなりません。他の写真はでかくなります。)
May 12-17, 2002 Hyatt Regency, Vancouver, BC, Canada

ME27: Two dimensional analysis of integrated three pulse photon echo,
Yutaka Nagasawa, Kazushige Seike, Takayuki Muromoto, Tadashi Okada, Osaka Univ., Japan.
Two-dimensional measurement of integrated three-pulse photon echo signal of dye-doped polymer glass was carried out. Rephasing and echo formation were still clear when the population period was >100 ps at 30 K.

というわけで、カナダはバンクーバーに行って来ました。しかも今回は交通事故にあって顔面骨折するというおまけまでついてしまいました。
さて学会報告ですが、今回も日本人の参加者は少なかったですね。日本の化学者で参加してるのは又賀先生のとこのハイクさんを除くとわし1人ぐらいではないでしょうか?あとは小林先生、猿倉先生らの物理屋さんばかりです。今回は朝8時から夜の10時までやるというとんでもないスケジュールです。ポスター発表は夜8時から10時までで、もちろんビールが飲めます。2次元赤外吸収スペクトルとアト秒のセッションがあったのは今回が初めてかな?Tokmakovグループの学生と話す機会があったので「Hochstrasserのとこと競争しなくちゃいけないからたいへんやな」と言うと「いや、うちのほうが勝ってるから大丈夫だよ」と冗談で言ってました。さらに「なんでHochstrasserとこの2次元スペクトルはいつも非対称なんや?」と突っ込むと「皆なぜなんだろうと思ってるんだけど、怖くて誰も聞けないんだよ」と答えていました。2次元ラマンの発表は2つありましたが、2次元IRに押されてすっかり影が薄くなってしまいました。カナダのグループはなんと3色2Dラマンというのをやっていました。でも相変わらずサンプルはニ硫化炭素です。この分光法に未来はあるのでしょうか?驚くことに光合成反応中心に関する発表がありませんでした。光合成アンテナ系についての発表も1つぐらいしかありませんでした。ロドプシン関係はPYPも含めてたくさんありました。驚いたことにフォトンエコーに関する発表がたくさんありました。国際競争が激化してわしもぼけ〜としてられなくなりそうです。関係のない分野ではフェムト秒パルスを使って原子時計を作るというのと、長い距離を干渉計を使ってめちゃくちゃ正確に測るという発表がおもしろかったです。Nelsonがポラリトンの波が伝搬する様子を撮影した動画をたくさん上映していました。

  
バンクーバーとはこんな感じのとこです。とてもよいとこで学会やってるのがもったいなくなります。ああ、こんなところに住んでみたい。アジア人がとても多くてどこへ行っても寿司屋があります。ラーメン屋もたくさんあります。モンゴル風BBQというものを初めて食べました。なんか焼うどんみたいだったよ。

 
町ん中はこんな感じです。場所によっては怖い感じの所もありますが、シカゴなんかに比べると全然荒れた感じがしません。ほとんど身の危険は感じません。治安は非常によいと考えられます。

 
バンクーバーは今が春らしくって花が咲き乱れていました。特にシャクナゲ系の花がたいさん咲いていてとてもきれいです。

  
港に豪華客船が停泊していました。まるでアパートを海に浮かべたみたいです。客船ってこんなんだったんですねえ。


海辺に行ったら大量のでっかいヒトデを発見!けっこう気持ち悪し。こいつらが食べ尽くしたのか近くに他に生き物は見当たりませんでした。

 
森の中を探索したら沼があって水芭蕉の親戚みたいなのが咲き乱れていました。ここはスタンレー公園です。ジョギングやインラインスケートをする人がたくさんいました。


さて今回は学会に行くだけでなく、帰りにアメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴによって来ました。そこにシカゴ大学のフレミング研の元学生が住んでいるので会いに行ったのです。彼は今ポスドク(助手?)で、400nmの光を使って生体物質のフォトンエコーをやっています。そこでそのレーザーシステムを見に行って勉強しようという魂胆です。もちろん暇があったら遊んでやろうという下心もありました。そこで18、19日の週末を利用してセコイア国立公園にキャンプしに行きました。その帰りにこのポスドクが運転しているBMWで事故に遇ったのです!以下はカリフォルニアにての写真です。

  
こんな感じの国立公園です。まるで絵葉書みたいです。歩いて横断すると1ヶ月ぐらいかかるバカでっかい自然公園です。


クマにも遭遇しました。キャンプ場にも現われるので食べ物はみな据え付けの鉄の箱に入れておかないといけません。歯磨きのように甘い匂いのするものもだめだそうです。車の中に入れておくとドアやトランクをこじ開けられてしまうそうです。カラスと違ってクマは強力なので恐ろしい!当然エサをあげてもいけません。自然のクマは人間を怖がるのですが、一度人間に慣れてしまうと何度でもキャンプ地に食べ物をあさりに来るようになってしまうそうです。こうして常習犯となったクマは最終的には人間を襲う可能性があるので射殺しなくてはならなくなるそうです。ヘリで運んで遠くの山に捨ててくるということもするそうですが、クマは縄張り意識が強くてまた戻って来てしまうのであまり効果はないそうです。

  
この公園で有名なのは巨木セコイアですね。とてもでっかい。でも切り倒すと地面にあたって砕けてしまうので材木としての価値はあまりないそうです。なんとこの木は火事に遇わないと実をつけないそうです。そこで時々人工的に焼きを入れているそうな。まん中の写真には事故に遇う前の元気なわしの姿が移っております。これから起こる悲劇も知らずにお気楽なやつです。

さてこの公園からの帰りに事故に遇ったわけです。山を降りてくる途中で路肩に乗り上げ、でっかい岩石にノーブレーキでぶち当たりました。わしは後部座席に座ってたのですが、シートベルトをしめていなかったので前部シートの後ろにしこたま顔をぶち当てました。歯が抜けたかと思うほど痛かったです。助手席に座っていたポスドクの奥さんはエアバッグで頭を打って脳震盪を起こしてしまいました。また彼女は歩けない程腰を痛めたので2日間現地の病院に入院することになりました。運転していたポスドクは無事でした。産まれて初めて救急車に乗りました。わしは事故直後は痛くてたまらなかったのですが、その後痛くなくなったので平気だと思ってその日は医者に診てもらいませんでした。しかし、夕食に行ったら痛くてモノが噛めないことが判明しました。しかも上あご右半分の歯茎が腫れ上がって全く感触がありません。さらに鼻をかんだら右目の下が風船のように膨らんでしまいました。これはやばいと思って次の日病院に駆け込んだら、案の定顔面骨折で内出血していることが判明しました。どうもわしは骨折していてもあまり痛みを感じない体質みたいです。2日後にようやく奥さんが歩けるようになったので、奥さんのロスの主治医のドクターリュウに会いに行きました。奥さんは中国系アメリカ人なのでドクターリュウも漢方医です。わしもついでに診てもらいましたが、まさに中国4千年の神秘でした。その日は奥さんのロスのおばさんちに泊りました。そのおばさんにわしは「meditationが足りない」?とか言われ、翌日太極拳みたいなことをやらされました。こうしてようやくサンディエゴに帰って来た時には今度は目医者にも診察してもらいました。アメリカ旅行の大半は医者めぐりで終わってしまい、他に何もできませんでしたとさ。


無惨につぶれてしまったBMWを御覧下さい。こりゃ全壊ですな。事故のショックでエンブレムがなくなってるけど、本物のBMでした。買って半年も経っていないそうです。ああ、もったいない。しかし、ポスドクの安月給でよくこんな車買えたなあ?そういやポスドクではなくて助手みたいなポジションだって言ってたっけ?


無惨に腫れ上がったわしの顔を御覧下さい。事故の翌日の病院での写真です。試合後のボクサーみたいです。恥ずかしいのでクリックしても写真は大きくなりません。右肩と右足も痛めたのでうまく歩くこともできません。異国で怪我するのはとても心細い。英語ができてよかったよ。


わしのドタマのCTスキャンです。矢印のとこの骨が陥没しており、内出血した血が右頬内部の空洞部に溜まっています。これでわしのモテモテ人生も終わりだすな。飛行機に乗ると気圧が下がってやばいかもしれない、帰るのを延期しろと言われましたが、見知らぬ異国の地で怪我で何もできずにぼ〜っとしているのはとてもフラストレーションが溜まるので、予定通りとっとと帰ってきました。気圧が下がってもだいじょうぶだったみたいです。